理論
軸力と二軸曲げを受ける矩形部材の断面力算定
軸力および2軸曲げを受けるRC断面の終曲耐荷力の算定方法を考える. コンクリート断面形状は矩形とし,鉄筋の配置は断面ないで任意に配置できるものとする.
Model section of a RC member |
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上図右に示すように,軸力 N が偏心して載荷されている場合,x 軸回りモーメント Mx および y 軸回りモーメント My が与えられれば,次式により偏心量およびモーメントを算定する軸回りの回転量 θ が計算できる.
断面に働く軸力 N およびモーメント M は,距離 r を用いて以下のとおり表される.
ここに,$dA$ は微小領域の面積,$x$ および $y$は,微小領域の元の座標系における座標値である.
応力-ひずみ関係式
ここでは,応力-ひずみ関係式は,BS 8110-1 に示されているものを用いる. なお,コンクリート・鉄筋共,圧縮を正とする.
コンクリート
$f_{cu}$は,コンクリート圧縮強度であるが,BSにおける立方体供試体圧縮試験に基づくコンクリートグレードであることに注意. 例えば,コンクリートグレード C35 であれば,$f_{cu}=35$ (N/mm$^2$) となる.
鉄筋
$f_y$は,鉄筋の引張強度であり,通常 $f_y=460$ (N/mm$^2$) が使われる.
Stress-Strain curve of Concrete (BS 8110) | Stress-Strain curve of Reinforcement (BS 8110) |
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プログラム
Programs
Filename | Description |
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a_rcls.txt | 実行用シェルスクリプト(入力データ作成含む) |
f90_RCLS.f90 | RC断面終局耐荷力計算 |
py_fig_rcls0.py | 作図(モーメント-軸力) |
py_fig_rcls1.py | 作図(鉄筋間隔-モーメント:軸力 0) |
a_gmt_ss.txt | 応力-歪曲線モデル描画GMTコマンド |
Fortranプログラム実行用コマンド
上記リンクファイル sh_rcls.txt を参照.このスクリプトには GMT による結果表示グラフ作成スクリプトまで含まれています. プログラムの
gfortran -o f90_RCLS f90_RCLS.f90 ./f90_RCLS inp_slabT32c100.txt > out_slabT32c100.txt
./f90_RCLS fnameR > fnameW
f90_RCLS | 実行プログラム |
fnameR | データ入力ファイル名 |
fnameW | 出力ファイル名 |
データファイル入力書式
材料の応力-ひずみ関係の単位は N/mm$^2$ で定義されているため,入力データの単位はこれに整合させる必要があることに注意.
fcu FN MX MY bb hh mb mh ms xs(1) ys(1) area(1) xs(2) ys(2) area(2) ... ... xs(ms) ys(ms) area(ms)
fcu | コンクリートグレード(立方体供試体圧縮強度) |
FN MX MY | 軸力,x軸回モーメント,y軸回モーメント |
bb hh | 断面幅および高さ |
mb mh | 幅方向分割数および高さ方向分割数 |
ms | 鉄筋本数 |
xs(i) ys(i) area(i) | 鉄筋位置x座標・y座標および鉄筋断面積 |
解析事例
入力データ,出力データおよび作図結果の事例を以下に示します. 鉄筋位置は,かぶりを75mmとして,75mm + D + D/2 (Dは鉄筋径) として計算しています. なお,図中 T32 など,T を用いた表記となっていますが,これはマレーシアにおける鉄筋径の表記方法です.
Ultimate Strength Curve of RC slab (1) M - N relationship |
Ultimate Strength Curve of RC slab (2) Re-bar space - Moment relationship (N=0) |
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